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RSウイルス感染症に注意しましょう

毎年、冬から春にかけて乳幼児を中心に

RSウイルス感染がよく見られるようになります。

インフルエンザの流行とも重なるため、

発熱のある乳幼児の場合は注意が必要です。

RSウイルス感染は、細気管支炎、無呼吸といった

より重度の症状になりやすく、気管支喘息との

関与も指摘されています。












 RSウイルスは、呼吸器合胞体ウイルスの頭文字を取って

RSウイルスと呼ばれるパラミクソウイルス科のRNAウイルスで、

1950年代に発見されています。その感染の多くは

冬から春にかけてみられ、4〜6日の潜伏期の後、

発熱、鼻汁、咳を認めるようになります。

小児では生後1歳までに5割近くが、2歳までにはほぼ100%が感染し、

以後は再感染を繰り返すとされています。

症状は年齢とともに軽減化していきます。



RSウイルスが他のウイルス感染と異なるのは、

初感染の30%程度が下気道感染である細気管支炎や肺炎を起こし、

1〜3%は重症になって入院治療が必要になるからです。

細気管支炎は、一般的な風邪症状の後からヒューヒューいう

呼気性喘鳴、多呼吸、陥没呼吸などの呼吸困難が出現し、

悪化すればチアノーゼという酸素不足状態になることもあります。

多くは喘息性気管支炎と診断されますが、

病態はアレルギーによる喘息ではなくウイルス感染に伴う

細気管支の炎症によるものです。



RSウイルス細気管支炎、肺炎の治療に関しては、

有効な特効薬はありません。

通常は一般的な風邪の治療と喘息の治療が併用されますが、

改善には時間がかかることが多く、2〜3週間かかることも少なくありません。

有効と報告されている治療には、喘息治療薬である

ロイコトリエン受容体拮抗剤やマクロライド系抗生剤がありますが、

確実ではありません。

また、気道炎症を抑えるため急性期にはステロイドの投与が行われますが、

その効果も明確に認められている訳ではありません。



今後、抗インフルエンザ薬のような特効薬が開発されればよいのですが、

それまでは現行の治療で対応することになります。








 RSウイルス感染のその他の重要な症状には無呼吸と

SIADH(抗利尿ホルモン分泌異常症候群)があります。

RSウイルスによる無呼吸は生後1ヶ月未満の新生児や

低出生体重児に認められることが多く、

重度の場合は突然死の原因にもなりうるといわれています。

原因としては呼吸中枢の未熟性や反射性無呼吸、

気道閉塞などが疑われており、入院治療が必要です。

SIADHは稀な合併症ではありますが、

抗利尿ホルモン分泌過剰に伴う低ナトリウム血症で

傾眠傾向になるため、厳重な輸液管理が必要で

やはり入院治療が必要になります。



RSウイルス感染と気管支喘息に関しては、

喘息の発症や悪化との関連が指摘されています。

RSウイルス細気管支炎罹患後の小児は、

その後の小児期においての喘鳴の発現頻度、

喘息発作の出現頻度は対照群に較べ、

有意に高くなっています。

ただ、これは幼児期に目立つ傾向であって、

5、6歳を過ぎるとその関連はなくなっていくと考えられています。


また、RSウイルス感染が直接喘息発作の原因になるとも言われています。

これはRSウイルスばかりでなく、ライノウイルス、

インフルエンザウイルスなどでも喘息発作時のウイルス検索で

認められています。


RSウイルスに関しては、感染に伴い気道過敏性の亢進が起こり、

それが喘息発作につながるとされ、しかも気道過敏性の亢進は

数ヶ月持続するといわれています。

そのためにRSウイルス感染後は、乳幼児においては喘息の

予防治療をすることがよいと考えられています。
 

RSウイルス感染はインフルエンザ同様鼻腔粘膜の検査で

診断することが可能です。

乳幼児において細気管支炎、肺炎が疑われる場合は、

RSウイルス感染は常に考慮すべき疾患ですから

早期に医療機関を受診することをお勧めします。

 




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