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ムンプス難聴に注意しましょう

 流行性耳下腺炎(ムンプス)は、耳下腺腫脹、発熱を起こす流行性の疾患ですが、その副作用の重篤な合併症として難聴が問題となっています。ムンプス難聴は予後不良で、一度なるとその有効な治療法は今のところありません。発症を防ぐためにはムンプスワクチンによる予防が勧められています。



 流行性耳下腺炎(ムンプス)は、保育園、幼稚園、学校などでよく集団発症する流行性のウイルス感染です。ムンプスウイルスの感染により発症し、潜伏期間は2〜3週ですが、通常は2週間です。症状的には、耳下腺腫脹(顎下腺、舌下腺が腫れることもあります)、発熱が主ですが、時に無菌性髄膜炎、膵炎、睾丸炎のような合併症が起こることがあります。感染は唾液などの飛沫や接触で起こりますが、感染しても皆が発病する訳ではありません。大体1/3の人は感染しても発病しない不顕性感染になると言われています。

 このウイルスの特徴は、神経に親和性があるために神経系の合併症が起こりやすいことです。脳や脊髄に感染が起こると髄膜炎、脳炎を起こしやすく、数十人に一人は重篤な症状となります。また、年長児の男児では睾丸炎になることも知られています。

最近、これらの合併症以上に問題となっているのが、ムンプスによる感音性難聴(ムンプス難聴)です。神経系の合併症であるムンプス難聴は、以前の厚生省診断基準では、顕性、不顕性に関わらず、ムンプス罹患を契機に発症した急性高度感音性難聴と定められています。
感音性難聴とは音を伝える伝音性の異常ではなく、音を感じる神経系の異常によるものです。同時に内耳の前庭機能の異常によるめまいやふらつきも見られることがあります。

ムンプス難聴の多くは片側性に起こるため、当初は発症に気付きづらいと言われています。また、不顕性感染に伴う場合は、先天性の異常や他の原因の難聴との鑑別が難しくなることもあります。
年令的には5才から10才頃の小児に多くみられています。以前はムンプス難聴の発症率は、1万5千から2万人に一人と言われ稀な合併症と考えられていましたが、最近の日本の調査では大体1000人に一人は発症しているのではないかと報告され、その危険性が警告されています。




 ムンプス難聴の問題は、その発症率とともに予後が不良なことにあります。ムンプス難聴と判っても今のところ有効な治療法は認められていません。ステロイド療法、ビタミン投与、高圧酸素など色々な治療がされていますが、どれも有効とは言われていません。難聴が回復しなければ、両側難聴の場合は人工内耳という治療法が適応となりますが、片側の場合は適応がありません。今の段階では出来るだけ難聴にならないように気を付けるしかないのです。
 流行性耳下腺炎はウイルス感染ですから、その予防はワクチン接種が最も効果的です。世界的にはMMRワクチン(麻疹・風疹・ムンプス混合ワクチン)が主流ですが、日本では副作用の問題で認められていません。ただ、任意のワクチンではありますがムンプス単抗原ワクチンが接種出来ます。ムンプス難聴はワクチン接種により予防することが可能な合併症ですから、出来るだけワクチンによる予防をお勧めします。

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