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蕁麻疹の話

 蕁麻疹は小児にはよく見られるアレルギー反応ですが、その原因は必ずしも単純なものだけではありません。

 蕁麻疹は、多くの人が一回や二回は経験しているような、非常にありふれたアレルギー反応で、乳幼児においても頻度の高い病気です。しかし、その原因はとなると必ずしも単純ではありません。

蕁麻疹は、皮膚の表皮の下の真皮と言われるの部分が限局的に膨れあがる症状で、一般的には強い痒みを伴います。これは皮膚内のアレルギーに関係するマスト細胞からヒスタミンという物質が放出され、このヒスタミンが血管の透過性を亢進させるために、血管内の水分が外に漏れて膨疹と痒みいう蕁麻疹の症状が起こると考えられています。

マスト細胞の刺激には抗原(アレルゲン)を介してIgEという免疫グロブリンが大きな役割を果たしていますが、その他にも補体成分や神経ペプチド、更には物理的、化学的刺激の関与もあります。蕁麻疹は通常では急性蕁麻疹が多く、長くは続きませんが、4週以上持続する場合は慢性蕁麻疹としての対応が必要になります。
蕁麻疹は、以下のように大別することが出来ます。

  1. アレルギー性蕁麻疹
  2. 物理的蕁麻疹
  3. その他の蕁麻疹

 アレルギー性蕁麻疹は、食物や薬剤で起こるもので抗原である原因物質と特異的IgE抗体が関係しています。
乳幼児では卵、ミルク、小麦が多く、年長になるにつれ魚介類、ソバ、ピーナッツなどが目立ってきます。

また、果物などで口内がピリピリしたり、腫れたりする場合は、口腔アレルギー症候群として知られています。
薬剤では、抗生剤や解熱鎮痛剤が起こしやすいもので、一つの薬剤に反応するようなら、同系の薬剤にも気を付ける必要があります。

このようなアレルギー性蕁麻疹が重度の場合は、低血圧、嘔気、喘息などを起こすアナフィラキシーショックに注意しなければいけません。特に年長児では、小麦、イカ、エビなどの摂食後に運動をした場合に起こる、食物依存性運動誘発アナフィラキシーが問題となっています。
物理的蕁麻疹は機械的刺激、寒冷や温熱などの温度変化によって引き起こされるもので、年長児に多い汗腺に関係した広範囲丘疹状のコリン性蕁麻疹もこのタイプに含まれます。

その他の蕁麻疹としては、日光によるもの、心因性のもの、あるいは感染に伴って引き起こされるものなどがあり、元気な時は出ないが病気の時だけ起こることもよく見られます。また、神経血管性浮腫という特殊なものもあります。

蕁麻疹の原因検索は、血液検査による特異的IgE抗体検査(RAST)、パッチテスト、スクラッチテストなどの皮膚反応が行われますが、その精度は必ずしも高いものではありません。それよりは発症時の食事内容、生活環境、天候、温度、季節などの記録が最も大切になります。食物などが原因の場合は、このような記録によって2、3回の発症があればすぐに判ることが多いのです。

蕁麻疹の治療は、原因が判っている場合は抗原を避けるのが原則です。次に抗ヒスタミン剤を投与し、皮膚病変には軟膏を塗布します。これで効果が出なければ、抗アレルギー剤の追加、更にはステロイドの投与も必要となります。ただ、アナフィラキシーを疑わせるような重度の症状がある場合は、緊急の治療が必要ですのですぐに医療機関を受診して下さい。

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